「職業に貴賤なし」という言葉がある。通常私はこの言葉を「卑しい職業なんてこの世にないんだから、どんな職業の人でもその職業をしているというだけで貶めたりしてはいけないよ」ということだと解釈していた。
さっき、仕事から帰る道々、ぼーっと「TBS「アッコにおまかせ」の初音ミク特集に批判相次ぐ - ITmedia News」の記事のことを思い出しながら(VOCALOID使ってみたいなー)その言葉を考えていて、ふと「あっ」と思った。
「職業に貴賤なし」って言葉、「賤」=「卑しい職業」がない、というのと同時に「貴」=「尊い職業」も「ない」って言ってるじゃないかあああああ!
……いや、何をあたりまえのことを今更、というかんじなんですが、さっきのさっきまで自分の中にまるでそういう考えがなかったので、びっくりしたんだ。この言葉のアナーキーさに。
卑しい職業はない、と思っている反面、自分の中で無意識に「尊い職業はある」と思っていた。例えば救急医療のお医者さんとか、消防士さんとか、人の命を助けたりする仕事とか。普通に大変で立派な仕事だなあと思ってた。
だけど「職業に貴賤はない」という言葉を正しいと信じるのなら、その考えは間違っていた。職業が立派ではなく、その仕事をしている「人」が立派なんだ。
だって、医者や消防士の中にも問題を起こしたり、立派じゃないことをやっている人もいる。「職業」を「尊い」としてしまうと、本当にその職業で立派なことをしている人と、立派じゃないことをしている人を、同じ立場にしてしまうわけだ。
それでは本当にその職業で真面目に立派な仕事をしている人に対して失礼じゃないか。
それにしても「すべての職業はフラットである」と言い切ってしまうこの言葉、ことわざなのか格言なのか、一体いつから言われている言葉なのか、出典はなんなのか、広めたのは誰なのか、真意は何なのか、ちょっとだけググってみても出てこないんですが、どこを調べればいいんだ!
そのかわり「職業に貴賤なし、しかし人には貴賤あり」という言葉もあるとかいうのを見た。人に「貴」はあると思う。しかし「賤」はあるのだろうか?
多分、またいつかこの言葉を思い出した時に、「あっ」と思うのかもしれない。